crankshaft

今回はクランクシャフトです。平岡幸三さんの「ライブスチームのシェイを作ろう」にも複雑なクランクシャフト作りが載っていて、製作時間は３０時間くらいと書いてあります。今回作ったクランクシャフトもなんだかんだでやはり３０時間くらいかかってしまったようです。写真がいっぱいあります。
では製作です。

まずは材料切り出しです。 デンスバー、19x47.5x257です。 (左側は元の材料） まだ長さは300mmの状態です。向こう側の端が一回のミーリングでは削れず、残っていますが、この部分は切り捨てますので、何とか材料を動かさずに作業できました。 material for crankshaft. cast iron 19x47.5x257

クランクシャフト作りは両センターけずりのオンパレードです。 このためのセンター穴を両端に３カ所ずつ開けます。 材料が大きいので普通のドリルチャックが使えません。直装型のコレットにセンタードリルをくわえ何とかクリアーしました。 イケールももう少し大きいと理想的なんですが。 センタードリル位置は定盤上で正確にけがいてあります。 もちろん直角もダイアルゲージを走らせて確認です。 center drilling. My milling machine is somewhat small for this crankshaft.

別の角度から another view

ウェブ部分の切削。 出来るだけ旋盤作業を少なくしないと大変です。 cut off the web portion

その他不要の部分をバンドソーでカットします。 二本のケガキ線の間をはずれないように注意して切りました。 最近は慣れてきたせいか、かなり正確に切れるようになりました。 要点は無理に力を掛けずにそっとそっとゆっくりと切ることの様です。 cut off by band saw

不要部分のカットが終わりました。一部小さな切りくずはどこかへ行ってしまいました。 finished

両センター支持で旋盤にセットしたところです。この作業のためにライブセンターを購入しました。 また作業にはいる前にテストバーを使って芯押し台のセンターあわせもしました。 Mount on the central set of centers in the lathe.

外周部分の旋削を開始しました。コンパウンドスライドを４２°にセットしてあります。ハンドルは芯押し台の向こう側へ行くという変則的な形です。 スイッチを入れる前に手で回してみて被削物がどこかに当たらないかの確認作業は必須です。 Machine the three web edges. Compound slide was set to 42deg.

切削中の様子です。 During the machining.

次はクランクピンとセンター部の切削です。突っ切りバイトで削るのですが、突き出しが非常に大きいためビビリます。 machine the crank pins.

いろいろバイトを作りました。一番左は完成板バイトから作った突っ切りバイト。真ん中はドリルロッド（工具鋼）から作ったもの。右は完成角バイトから作ったもの。角は当たらないように４0°程度に落としてあります。またすくい角を大きめにしました。 handmade cutting tools

こんな具合になります。 どの刃を使っても幅が3mmもあるとびびってしまいました。仕方ないので右勝手、左勝手にそれぞれ削りなおしてしまいました。 一回の切り込みは０．3mmにしました。 Turning as you see.

クランクピンとセンターピンが削り終わりました。 Turning of crank pin and center pin was finished

クランクシャフト軸が旋削終了です。 Turning of crankshaft journal was finished

ラップをしています。非常に削りにくく、計測もしにくかったため結局出来上がったサイズは予定より0.1mm程小さくなってしまいました。 コンロッドのビッグエンド側のメタルベアリングのサイズをこれに合わせます。これからリーマーを買うので問題はないのですが、仕事だったら作り直しでしょう。 Lap the crank pin.

両端の把持部を切り落とします。この後はもうクランクピン部の修正は出来ないのでなかなか切れませんでした。 Cutting the bilateral grip portion.

両端を削った後テーパー部を仕上げたりして完成です。手前にあるのはLittle Hercules のクランクシャフト用部材です。大きさがだいぶ違います。 Finished You can see the material for the crank shaft of Little Hercules just in front of the finished Cirrus crank shaft.

ベアリング、カムギアーをセットしてみました。 With bearing and cam gear. 2005/3/25

目次へ戻るback to Cirrus index 。